14 / Jan / 2017

第13回 ランナーに多いアキレス腱の痛み

日豪プレス 2012年9月号 掲載記事

第13回 ランナーに多いアキレス腱の痛み


▶▶▶フィジオセラピーは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神 経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専 門家で、必要に応じてMRIや専門医に紹介し、包括的な治療を 行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、 体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

もうすぐシドニー・マラソンが開催されますね。皆さんも参加を検討されていますか? 日ごろの運動不足を解消するために、トレーニングを開始された方もいるのではないでしょうか。

45歳の男性Tさんは2カ月ほど前からトレーニングを始め、走る距離もタイムも順調に伸びていました。しかし、ある日ランニングの最中にアキレス腱に鋭い痛みを感じました。1度止まってストレッチをし、その後軽く走りましたがその日は痛みが消えませんでした。トレーニングをいったん中断し、1週間後に再開したところ、またランニングの途中で鋭い痛みを感じました。アキレス腱の辺りを触ると今度はぷくっと水が溜まっているように腫れており、少し熱を持っているようでした。
急性の炎症からくる腫れや痛み

アキレス腱にはランニング中に下肢にかかる荷重を吸収する役割があります。しかし、加齢や運動不足によって知らないうちに退化、変性していきます。痛みは腱に小さな亀裂が入ったり、腱膜が炎症した後、太くなってしまうことで引き起こされます。

フィジオセラピーでは、急性の炎症からくる腫れや痛みを抑える治療を最優先で行います。腱に必要以上の負荷がかかっていないかを診察し、症状が悪化しないよう、慎重にマッサージやストレッチを施します。ふくらはぎ、太ももの裏辺りが硬直していることが多いので、柔軟性を向上させるために針を使用することもあります。

脚力が弱っていると、アキレス腱に必要以上に負荷をかける原因になります。特に太ももとふくらはぎの筋肉の強化がとても重要になります。そして徐々にアキレス腱やふくらはぎにも荷重をかけリハビリを行います。

せっかくトレーニングでつけた体力を落とさないために、リハビリ中でも痛みがひどくない程度のランニング・プログラムをこなすとよいでしょう。
しっかりと時間をかけて準備を

参加したいマラソン・イベントが決まったら、ケガを予防するためにまずは無理のない目標を設定しましょう。そして、しっかりと時間をかけて準備してください。階段を上る際にかかとをつけないようにするとふくらはぎの筋力を鍛えられますので、今日からでも行ってみてはいかがでしょうか。

 

*同コラムは、一般医療情報の提供を目的としています。症状や治療法は人によって異なりますので、必ず専門家の指示に従ってください。

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